シャドーイングは英語の音声を聞き、ほぼ同時にその音を発声するといういたってシンプルな作業です。
プロの通訳者もシャドーイングで英語のトレーニングを積むほどその学習効果には定評があります。
英語パーソナルジムでもトレーニングの一環としてシャドーイングを取り入れていて、もはや英語を学ぶ人の必須学習となりつつあります。
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このようにシャドーイングはシンプルで効果が高い英語学習法ですが、聞く作業と話す作業を同時にこなさなくてはいけないため、なかなかうまくできないという人も多いようです。
シンプルであるが故に奥が深いのもまたシャドーイングなのです。
ものにできれば英語力の向上に絶大な効果があるとされるシャドーイングのやり方とその効果について、今回は詳しく考察してみたいと思います。
目次
シャドーイング中に頭の中で起こっていること
シャドーイングについて、少し掘り下げて考えてみましょう。
シャドーイングは英語の音を聞きながら、その音をなぞるように発声します。
したがって、実際は聞こえてくる音声より少し遅れて声を出すことになります。
影(シャドー)のように聞えてくる音を追いかけていくから『シャドーイング』です。
英語の音源を聞いている間、これまで聞いたことがある脳の中の音のストックと現在聞こえている音を照らし合わせる作業をしています。
そして同時に、聞こえた音を再現する作業もこなしています。
多少音を聞き逃したとしても、自分のライブラリの中から音を探し出すことができれば発声することがでます。
この相補的な作業こそがシャドーイングの重要なポイントなのです。
初心者の方のためにわかりやすくシャドーイングのやり方を説明したYoutube動画について、まとめましたので詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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次にシャドーイングがうまくできないという人のための練習方法を紹介します。
日本語をシャドーイングしてみる
英語のシャドーイングが上手くできない!と言う人は、まずは日本語の音声をシャドーイングしてみてください。
音声はニュースでも何でも構いません。
日本語とはいえ、結構難しいと思います。
この時に音を聞きつつ声を出してみる感覚を意識することが重要です。
英語シャドーイングの上達にも繋がります。
また、仮につまずくことがあったらそれはどのようなポイントなのかも覚えておいてください。
メモをしておくのもよいでしょう。
単語が聞きとれなかったのか、聞き取りにくい音だったのか。
それを知っておくことにより英語のシャドーイングについても苦手なポイントが絞りやすくなるはずです。
オーバーラッピングしてみる
シャドーイングは聞えてきた音声を追いかけるトレーニングですが、似たようなトレーニングに「オーバーラッピング」と呼ばれるものがあります。
これは、音声と同時に発声する練習です。
テキストを見ながら音源に合わせて発音していくため、シャドーイングよりはるかに簡単ですが、目的を持たずに取り組んでもあまり効果はありません。
最初はテキストを見ながら音声と同時に音読しますが、慣れてきたらスクリプトを覚えてなるべくテキストを見ないで発声する努力をしましょう。
音源は、例えばTOEICのリスニング問題などの短いものがいいと思います。
多少音源と遅れても気にせずに、なるべくスクリプトを覚えてテキストを見ずに発声するようにします。
これがスクリプトを見ずに発声するシャドーイングの基礎練習となっていきます。
シャドーイングの効果とは?
スピーキング力の向上
英語をあまり話したことがない人、久しぶりに話す人はいきなり話すと口の動きが不自然になります。
普段使わない微細な筋肉を使用するようになるためです。
繰り返し発声することにより、まず口が英語の発音に慣れてきます。
また自分で発した音を再び自分の耳に入れるため、英語の語感やリズムなども自然に身に付きます。
したがって、アクセントや発音もよりネイティブに近づくことが期待されます。
リスニング力の向上
意外かもしれませんが、シャドーイングでリスニング力の向上も望めます。
何故なら人は相手の言葉を理解しようとする時、無意識に頭の中で復唱しているからです。
実際にシャドーイングをしてみると、ただリスニングをしている時と比べ言葉の理解力が格段に上がります。
その感覚を意識しながら続けてみてください。
可能であればシャドーイングの後にもう1度同じフレーズをリピートしてみてください。
スラスラ話すことができ、かつ意味も理解できているようになっていればしめたものです。
フレーズを覚えやすくなる
英語を文字ではなく音やリズムとして認識するようになるため、英語フレーズを覚えやすくなります。
慣れてきたら、海外ドラマや映画でシャドーイングを実践してみるとよいでしょう。
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日常会話の頻出フレーズを身に付けることができるようになるはずです。
まとめ
シャドーイングと対比的に取り上げられる練習法としてディクテーションがあります。
英語の音声を聞き、それを書き取るという作業です。
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こちらはこちらで理解できているようで理解できていない単語やフレーズを炙り出せるので効果的だと言われています。
ただし手間と時間がかかるので私はやっていません。
手軽に実践できるのもシャドーイングの利点だと思うので是非お試しください。