日本語でも「ネットワーキング」という言葉がだいぶ定着してきました。
ネットワーキングとは、簡単に説明すると新しい知り合いの輪を広げることです。
社会人なら、例えば異業種の人たちと交流する「ネットワーキングイベント」が頻繁に開催されているこをご存知の方も多いでしょう。
合コンや街コンもネットワーキングの一環とも言えますね。
ある海外の調査では約85%の人がネットワーキングを使って仕事を見つけたことがあると回答したそうです。
日本でも転職する際に、友人や知人を介した社員紹介制度を利用して今のポジションをゲットした!という転職成功者がたくさんいるみたいです。
ネットワーキングと聞くと一般的には「自分の組織の外にいる人と知り合う」ことをイメージしがちです。
でも実は、自分の組織の内側にいる人とのネットワーキングを広げることもかなり有益なのです。
多くの人が見過ごしていますが、社内ネットワーキングを強化することで、社内でのキャリアアップにつなげることが出来ます。

社内ネットワーキング強化で事前に情報ゲット!
社内ネットワーキングを広めておくと、自分に有利な情報を人より早く手に入れられる可能性があります。
例えば社内転職に関する情報です。
最近では「社内公募制度」を導入する企業が増えています。特に外資系企業ではこの制度を利用するところが多いようです。
社内公募制度とは、会社で求人を出す際に、まずは社内スタッフへ向けて掲示するスタイルのことです。
人事異動の一種とも言えますが、辞令として会社から異動するのではなく、公募という形を取って自ら進んで異動することが可能な制度ですね。
社内でのジョブローテーションを促進したり、社内で仕事を変えることで新たなキャリア形成が可能となり、結果として退職率低下につながると考えられています。
私の周りでも、社内公募制で職種を変えたり、同じ会社の海外オフィスでの仕事を手にしたり、昇格を伴うキャリアアップをした人が多くいます。

さて、社内ネットワーキングを強化することで、この社内公募で募集されるポジションに関して、いち早く情報を手に入れることが出来るかもしれません。
社内のいろんな部署の人とつながることで、時には噂ベースでも情報を手にすることが出来ますし、社内公募に際し、誰よりも早く希望のポジションへ応募出来るかもしれません。
また、社内公募制度で集まった候補者を面接する面接官が知り合いであった場合はかなり有利に選考を進めることができます。
他社への転職を考えた場合、今担当している職種とは全く違った職種へいきなり転職するのは容易ではありません。
実務経験が全くないと、そもそも書類選考すら通らない場合が多いです。
ところが社内公募制では全く違う職種でも応募が可能な場合があります。
むしろ異業種への配置転換を促している場合さえあります。
私の周りでも、営業担当から人事の採用担当へキャリアチェンジ、経理から監査部への異動もあれば、家族の事情により忙しい部署での仕事が難しいとのことで、社内の事務職へ異動した人もいました。
今考えると、この人達も社内のネットワーキングを活かしてポジションを勝ち取ったのかもしれません。
専門的な技術やスキルが伴う職種でも、エントリーレベルの簡単なものからコツコツと経験を積ませてくれる場合もあります。
こうやって社内で異動しながら経験を積み、満を持して他社へ転職するという転職方法もあるのです。
社内でキャリアを積んでいくには情報収集がなによりも大切であり、社内ネットワーキングを強化しておくことが情報収集に役立つのです!
社内ネットワーキングを強化するための最も簡単な方法
そんな社内ネットワーキングを構築するための最も簡単な方法が、社員に対してあいさつをするということ。

誰だって挨拶されて嫌な気持ちになる人はいません。
おはようございますや、お疲れ様でしたなど、社内ですれ違う社員に対して日々のあいさつを行うと、ひょんなことから知り合いが増えたりします。
例えば他部署との会議で「あ、いつも挨拶してくれている人だ!」と向こうから話しかけてきてくれたり、トイレですれ違って突然自己紹介が始まることもあります。
一人知り合いが増えると、お互いの知っている社員を紹介しあったりして、徐々に社内でのネットワーキングが広がっていきます。
挨拶は簡単ですが、キャリアアップのための超強力な武器になるのです。
私の会社を見回すと、確かに誰にでもあいさつをしている人は、社内でも多くの顔見知りがいて、多くの人がその人の名前や部署まで知っている様に感じます。
あいさつから関係性が構築されれば、他愛のない会話が出来る様になります。
子供が病気をしてしまったという話を聞いた場合、その数日後にはお子さんの病気は大丈夫?と声をかけることが出来ますし、大きなプロジェクトをかかえているという社員がいれば、経過はどう?とコミュニケーションをとることが出来ます。
この様に、日々のちょっとした関係性が徐々に強い関係性へと変化していき、社内ネットワーキングがどんどん大きくなっていくのです。
組織が大きくなればなるほど、社員同士お互いの顔や名前を知らないことは普通のことです。そして仕事上何か繋がりがなければ、お互いのことを知るチャンスも無いかもしれません。
そんな状況で私が実践しているのは、社内エレベーターに乗った時には必ず挨拶をする様にすることです。
エレベーターは社長から他部署の人まで、多くの人と顔を合わせる機会があるチャンスです。
社員証を首からぶら下げている場合は、相手に名前を覚えてもらうチャンスでもあります。
社内ネットーワーキングは今後一緒に仕事をする場合にも大きな力を発揮してくれます。
お互いのことを知っている分、時には協力的な姿勢で接してくれたり、仕事をスムーズに進めやすいと感じたこともあります。
社内ネットワーキング強化は何も特別なイベントに参加しなくても、日々仕事をしながら構築することが可能です。
明日会社へ着いた際、「おはようございます!」と知らない社員でもあいさつをする所から始めてみませんか。