今回は英語はあまり関係ないかもしれませんが、海外の結婚にまつわる習慣のお話です。
私はオーストラリア人と結婚して現在オーストラリア在住ですが、自分の結婚式と息子の結婚式を経験しました。
今回は息子夫婦が結婚した時のエピソードです!

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外国人と結婚することになった息子と息子のお嫁さんとのエピソード
オーストラリアで知人が結婚式を開くと聞いたら、まずお祝いのメッセージとギフトの準備を考えます。
結婚するカップルのことを考えながらあれこれギフトを選ぶのもなかなか楽しいものです。
ところが自分の息子が結婚することが決まった時、私たち夫婦に知らせてくれたのはかなり直前になってから、なんと結婚式1週間前でした!
当時すでに息子とお嫁さんは一緒に住んでいたのですが、用事があって息子と会った時に彼がボソッと
“I am now engaged to (彼女の名前).”
と言うのです。もともと物事をはっきりとは言わず、婉曲的に伝えるタイプの息子です。

私はすぐに理解しましたが、一緒にいた主人が状況を把握するのに時間が掛かりました。
情報処理が追いつかず、おめでたいことなのに気の利いたことが言えないわけです。
また息子も察していますが、主人は二人の交際にちょっと反対気味でした。
私としては、とりあえず「教えてくれてありがとう、あなたからの決意をしっかり受け取りましたよ」というacknowledgementが何より大事派なので、すぐにギフト選びをしました。
彼らの結婚の決意がポジティブかネガティブか私が判断することではないですし、ちょっとネガティブがかっていても、ポジティブに彼らが舵取りできるように後押しするのがギフトだと思っているからです。
実は息子のお嫁さんになる女性は、ヨーロッパから息子と結婚するためにわざわざオーストラリアに移住(migration)してきたという事情があります。
私も結婚を機に移住を選択したということもあり、とても彼女にシンパシーを感じてしまい、できる限り彼女の肩を持とうと思ってしまいます。
ちなみに移住者を表現するときに、移民(immigrant)は使わないようにしましょう。
特にオーストラリアでは侮蔑の意味を含んでいます。
白豪主義が昔あった国です。白豪主義は有色人種排斥の意味もありますが、イギリス人が優位で、その他の英語を母国語としない白人は猛烈にイジメにあった過去があります。
さてヨーロッパからやってきた外国人女性と結婚することになった息子殿。
彼らの門出を祝うにふさわしいギフトは何だろうかと考えました。
そしてギフトに選んだのが、パールのロングネックレスでした。
私が若い頃に購入したものです。ちなみに2〜3万円の品物ではありません。ちゃんとした宝飾店で購入したものです。
ベビーパールが何連にも連なっており、清楚さを感じるデザインだったので若い花嫁の門出をお祝いするのにピッタリ!しかも背の高い彼女によく似合うロングネックレス、と私はウキウキしながら包装をしてメッセージカードを用意しました。
“Congratulations. Best wishes on this wonderful journey, as you build your new lives together. ”
結婚式前日に息子殿にギフトとメッセージカードを手渡しました。
さて結婚式当日です。
朝から息子よりメッセージの着信がありました。
“She is very moved by the gift but she is superstitious. She might not choose that pearl necklace today.”
(ギフトにすごく感動しているよ。でも迷信深いから今日はあのパールネックレスを着用しないかも。)

彼女がヨーロッパでまじないをかけるジプシーを見てきた経験から、路上に落ちているものを拾うと悪運(ジプシーが仕込んだ、という意味で)がついてくる、とよく話していたのを思い出しました。
さらに私がチャリティーの運営する、コニュニティの不用品などをリサイクルするお店をよく利用していたので、出どころが不詳なパールネックレスと思って心配しているのかと思いました。
そこですぐに「あれは私自身の所有物で、若い頃に正規の宝飾店で購入したものだから大丈夫よ!」と息子に伝えました。
ところが今度は、

と不安になってきました。こういうことは考えだしたらキリがありません。

なんて考えまで浮かんできました。
息子殿、あれは深い意味はなくて、ただの門出を祝うギフトなのよ。。。
そこで彼らが宿泊しているホテルへ行くと、お嫁様が、私からのギフトのネックレスを身につけて登場。
そして「本当は祖母から受け継いだ一粒パールのネックレスを着用しようと思っていたのよ!このロングネックレスを今日選んだのは重大な決心だったのよ、私からすると!」と一気にまくし立てるのです。
その剣幕に、

と不安になりましたが、勢いがあるだけで、実は怒っていた訳ではありませんでした。彼女は単に事実を私に述べていたのです。
主人からすると「彼女の装いにピッタリ似合ってたじゃん、だから選んだんだよ」ということで何の問題もない、という見立てでした。
きっと結婚式当日に彼女の胸の中にいろんな思いが去来していたのでしょうね。心配無用でした。
ちなみに息子夫婦と私達は、全く違う価値観の中で生きているのですが、全く違う、というところが功を奏するのか、私達の人生の選択やライフスタイルの一番の理解者です。
息子夫婦の気持ちに私達の提案が合わないとき、私達に失礼のないように、とか敬意を払わなくては(respectful)、という心遣いから、外交的な手腕に優れた(diplomatic)息子がやんわりとした言い方で、彼らの方針を伝えてきます。
時々やんわりすぎて意図がつかみにくいことがあるのが玉に瑕ですが...。
今回は以上です。いかがでしたか?お役に立ちますように!