電話だと雑音が入ったり、そもそもの音質が悪かったりして、相手の話が聞き取れない!ということがよくあります。
またこちらの話も相手に全然伝わらない!という経験をした人も多いのではないでしょうか?
英語での電話をなんとか成功させたい!

電話で固有名詞を正確に伝える・理解するための便利ツール
英語で問い合わせの電話をかけるとき、ぜひメモをとる準備をしてください。
声の通話だけでなく、目でメモを追いかけることでわかりにくい会話の糸口を掴みやすくなります。
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電話で会話をしていると固有名詞を正確に理解する必要がある場合があります。
例えば担当者の名前を知る、イベントが開かれる場所(Venue)を知る、特定のサービスの名称を知る、自分の名前で予約を入れる、メールアドレスを連絡先として交換するなどの状況です。
Eメールによるコミュニケーションなら情報が文字になって伝わるので問題ありませんが、電話の場合は相手の言葉から正確に固有名詞を把握しなければならないし、自分の言葉で相手に正確に情報を伝えなくてはなりません。
例えば電話で歯医者の予約(appointment)をする場合の以下のような会話を見てみましょう!

歯医者の予約
あなた:Hello. I'd like to make an appointment with Dr. Nelson for 2pm on December 12th. (12月12日の午後2時からネルソン先生の診療予約をしたいのですが。)
相手:Okay. May I ask your first and last name? (わかりました。ファーストネームとラストネームをお伺いしてよろしいでしょうか?)
あなた:This is Yuko Inoue. My first name is Yuko and last name is Inoue. (ユウコ・イノウエです。ファーストネームはユウコで、ラストネームはイノウエです。)
この会話をすると、ほぼ間違いなく相手からこのように聞かれます。
相手:How do you spell your name?(名前の綴りはどう書くのですか?)
歯医者さんやお医者さんは、カルテや保険の関係で患者の名前を正確に把握しておく必要があります。
ですから、予約を取る段階で患者の名前の正確な綴りを知る必要があるのです。
特に日本人の名前は英語圏の人になじみがないので、医療機関に限らずレストランや美容室の予約でもスペルを聞かれることがよくあります。
そんな時は「ワイ・ユー・ケー・オー...」などとアルファベットを読んでいくのですが、これがびっくりするほど全然伝わらないんです。
よくあるのが「ワイ(Y)とアイ(I)」、「エム(M)とエヌ(N)」を混同する間違い。
これに加えて日本人の場合、「ビー(B)とヴィー(V)」、「シー(C)とイー(E)」なんかも混同されます。

そんなときはぜひお守りとしてAviation(航空業界)や Military(軍隊)で使用されるNATO phonetic alphabet に慣れ親しんでおくことをお勧めします。
NATO phonetic alphabet とは、無線通信に頼るパイロットが、どんなに通信状況が悪い状況でも(ビーーーガーーーといった雑音がひどい状況で音が歪んで伝わってしまう状況をsound distortionといいます)、管制塔と正確なコミュニケーションを確立させるためにICAOによってもともと開発されたものです(the International Civil Aviation Organization=ICAO )。
Nato phonetic alphabet
Alfa, Bravo, Charlie, Delta, Echo, Foxtrot, Golf, Hotel, India, Juliett, Kilo, Lima, Mike, November, Oscar, Papa, Quebec, Romeo, Sierra, Tango, Uniform, Victor, Whiskey, X-ray, Yankee, Zulu
でアルファベット26文字をカバーできます。これを使うと、次のように言うことが出来ます。
あなた:”My first name is Yuko. I can spell my name for you. Y as in Yankee. U as in Uniform. K as in Kilo. O as in Oscar.”
このNATO phonetic alphabet はとにかく非常に便利です。また皆さんにいざという時に頼れる、という安心感を与えてくれます。
数字も電話では聞き取りにくいことがあり、例えばThreeは”tree”と発音し、Fiveは”fifeと発音した方が相手に正確に伝わりやすいのです。
アメリカ人の人はこのNATO phonetic alphabet に慣れ親しんでいる方がとても多いですよ。
シンガポールからの電話で、中国系の名前の方でこのNATO phonetic alphabetを使用してスラスラ自分の名前を伝えてきた人がいましたね。旅行代理店やエアライン関係者だったのかもしれませんが、とても助かりました。
相手がこのNATO phonetic alphabet に慣れていない場合、例えばZuluて何?という怪訝なレスポンスの場合には、言い方を変えてみてください。
あなた: “ Z for Zurich(チューリッヒです ※ズリックと発音します)”
とか
あなた: “ Z for Zoo(動物園です)”
とか、たくさん引き出しを用意してください。
どれに相手がピンとくるか、ぜひ諦めず試してみてくださいね!
まとめ
パイロットでもコミュニケーションの不調を想定しているし、最強のNATO phonetic alphabetでも100%通じないイングリッシュスピーカーもたくさんいます(慣れていないため)。

あなたの諦めない気持ちは必ず相手に通じて、会話がなんとか成立するようになります。
このNATO phonetic alphabetの良いところは、これを何もみないでもスラスラ言えるくらいまでトレーニングすると、音への感覚が自然と良くなることです。
もともとsound distortionの影響を極力受けない単語が選抜されていますから、聞き取りにくい音と聞き取りやすい音への感覚が研ぎ澄まされてきます。
また少しゲーム感覚の要素があり、コミュニケーションが弾むところがとても良いのです。
あなたがNATO phonetic alphabetを使うことで、相手もあなたがコミュニケーションを成功させる引き出しを用意していることがわかります。相手の通話への取り組み方がポジティブに変化します。
最後に大事な点ですが、わからないからといって “ I do not understand you.” は絶対お勧めしません。
これは相手の話した内容を完全に却下して、ダメだしした印象になります。
“ I have a difficulty to comprehend what you said. Could you please tell me again?”などの工夫が必要です。
いかがでしたか?お役に立つことを祈って!