電話での英会話は相手の表情が見えないし、音質の問題もあって非ネイティブスピーカーにとってなかなかレベルが高いものです。
英語圏に何年も住んでいる人でも「電話は苦手で...」という人をよく見かけます。
英語で電話をして相手の話を聞き取れないとき、こちらの話が伝わらないとき、ショックですよね?

と思ってしまいます。
今回はそんな電話嫌い解決へのファーストステップとして、あなたが話をしようとしている英語を話す人たちの事情について、私の経験をもとに少しお話ししてみようと思います。
実はいろいろある英語
一言で英語と言っても、実はいろんな英語があるんですよね。
同じ英語を話す国の中でも、住むところによる方言ももちろんありますし、世界には第二言語として英語を使用している方も多いので、驚くほど多様な英語が存在します。
それから話す人の教養の度合い、プライドの持ち方、生きる姿勢なども英語に現れます(日本語も同じだよ、と突っ込まないで)。
イギリス人の英語
イギリス人と話すと、彼らのdiction(言葉遣いや言い回し)を通じて「ワタクシはブリティッシュですのよ」という気概が香りのように伝わってきます。
イギリス英語で「football(フットボール)」といえばサッカーのことですが、「soccer(サッカー)」でも通じるのにわざわざfootballを使い続けている人もいます。
彼らはオーストラリア人やニュージーランド人のアクセント(訛り)を可愛いと思っているようですね。
まだコロニーの人たちと思っているのでしょうか...。
イギリス人と話すときは、彼らのdictionを少しコピーすると良いリズムが出るな、と思いますね。
アメリカ人の英語
アメリカ人といえば自由で大らかなイメージですが、話してみると意外に堅いというのか、フレキシブルに対応を変えないというか、変えられない人が多いなという印象です。
これについては私が経験した面白いエピソードがあります。
私が航空会社で働いていた時のこと。
20代後半か30代のアメリカ人女性のお客様から、フライトスケジュールに関する質問を受けたことがありました。
彼女は”Do I change a plane at…..?”と私に聞くのです。
彼女はあるハブ空港でトランジット時に航空機(plane)を乗り換えるのか?と聞いていたのですが、私は彼女の言う”plane(プレーン)”をplan(プラン)かと思い込み、ハブ空港で計画つまり旅程を変えることができるのか?聞かれていると思ってしまいました。
というのも航空業界では航空機を指すときは通常”aircraft”を使用するため、”plane(プレーン)”が航空機を意味していると、とっさに頭に浮かばなかったのです。
というわけで全く話がかみ合わなかったのですが、彼女は特に苦にすることもなく、私が質問を変えて聞き直しても”Do I change a plane?”と聞き続けるのです。
もちろんこれはトランジットの際に飛行機を乗り換えることを質問してくる想定をしていなかった私の頭の中の準備不足も大きいです。
ただオーストラリア人やニュージーランド人なら私の勘違いを逆に指摘してくるんじゃないかな?とか”airplane”と彼女が言い換えてくていたらもっとスムーズだったかな、と思いますね。
またアメリカ人は、オーストラリア人やニュージーランド人と比べて、意外にも多様な種類の英語に彼らの耳が対応しないようです。
まず、かなりRの発音を強化しないと対応できない人が多いようです。
オーストラリア人やニュージーランド人たちのRはおとなしい発音です。あまり舌を回さないです。
私の周りにいるオーストラリア人も、ニュージーランド人も、イギリス人さえもアメリカで言葉が通じない経験をしたことがありますから、日本人であるあなたが電話で少し自分自身の英語が通用しないと言ってまずはショックを受けすぎないことです。
ネイティブなのにアメリカ人に英語が通じないという経験をした彼らの分析によれば、ある特定の街で生まれ育ったアメリカ人は、その街特有のアクセントやdictionでなければ耳が全く受け付けないようだと、ということです。

カナダ人はどんな感じなんでしょうね。
お隣のアメリカに行ったら通じなかった、という経験があるかどうか興味があるところです。
アフリカの英語
アフリカに住むアフリカ人の英語は最強に手強いです。
まず彼らのパンチのあるスピリットに圧倒されるのと、ありとあらゆる音が口の中でフュージョン状態で、一体何なのかわからない、でも伝えようとしている彼らに圧倒される、という感じですね。
分かり合えそうなとっかかりになる単語なり、情報なりを電話越しに探す必要があります。
インド人の英語
インド人は、教養が高い人はこちらが腰を抜かしそうな美しい英語とその人となりに驚かされますが、一般的な方は、延々と話をしてきます。
説明が長いというのか、会話の組み立て方がきっと他のイングリッシュスピーカーと違うのでしょうね。
息継ぎはいつどこでするのか、という勢いです。
いつも明るくて、ポジティブな太陽のようなエネルギーをかもし出すサービス精神なフィリピン人と比べると、単調なトーンで少しエラそうな場合もあります。
こちらが毅然としていないと野良イヌや野良ネコのように扱われることもあります。
彼らの同胞愛は熱いです。同胞でない日本人が軽く扱われることがあってもまずは心配せず粛々と話を進めることが大切です。
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ヨーロッパ人の英語
ヨーロッパ人の一般的な方の英語は、たどたどしく日本人的にシンパシーが湧くかもしれません。
ビジネスの現場で英語を使用するヨーロッパ人は、しっかり格調高い英語をどこかからコピーしてきて素晴らしい英語を話します。
でも普段英語を話さない一般的な人たちはやはり苦手意識があるようです。しかし、彼らは伝えようとする気持ちが強いですね。
わかって私のこと!わかってくれて嬉しい!その気持ちが会話をかろうじて成立させる推進力になるのです。
まとめ
いかがでしたか?
イギリス人でも英語が通じないことがある、下手糞でも押しが強い、話の的を得ない、などなど、英語を話す方の出身国や教養レベルでかなりいろいろな英語があることが分かっていただけたと思います。
日本人は皆さんが思っているほど英語が下手くそというわけではなく、単に恥ずかしがって英語を人前で話せないという場合が多いような気がします。
英語で電話をかけるのは大変ですが、自信をもって堂々と話すようにしましょう。
少しショックから立ち直って気持ちが落ち着きましたか?
お役に立ちますように!