世の中には英語を独学で勉強して、英会話をマスターしてしまう人がたくさんいます。
ネットを検索すると、独学で英語が話せるようになった!留学なしでも英語がペラペラなんていう体験談がわんさかヒットします。
そういう英語独学組の勉強方法を分析していくと、ある共通点があります。
それが、インプット学習とアウトプット学習のバランスです。
こういわれると多くの人が、英会話学習のインプットとはリスニング、アウトプットとはスピーキングと考えると思います。
ですから、リスニングならまだしも、スピーキングの独学なんてどうやってやるんだろう?と不思議に思うかもしれません。
でも、英会話に大切な学習ってリスニングとスピーキングだけではないんです。
実は英語学習においてのインプットとは「リーディング・リスニング」そしてアウトプットとは「ライティング・スピーキング」のことなんです。
最新の科学研究から、リーディングとリスニングのスキルは脳の同じ部分を使っていることが分かっています。
同じようにライティングとスピーキングも同じような脳内回路を通して働いています。
これを知っていると、英会話も独学でマスターできそうな気がしてきませんか?
この記事では、英語を話すという英会話を独学する場合に重要な学習方法を、インプット系・アウトプット系に分けて解説していきたいと思います。
目次
日本の英語教育にはないインプットとアウトプットという概念
最新の脳科学研究、第二言語習得論研究から、文字を読んで内容を理解する「リーディング」、そして音を聞いて意味を理解するリスニングは実は脳の中で同じ部分を使っていることが分かっています。
同じように自分の考えを文字にするライティングと、思っていることを口に出すスピーキングは脳の中で同じ思考回路が働いています。
ですから、英会話取得の自習をする場合、リーディングとライティングは非常に有効なトレーニングになります。
これ、意外に思われるかもしれませんが、よく考えると当然ですよね。
リーディングは文字という情報がいったん視覚を通して脳に入ります。
そして脳がその情報が意味するところを理解するのです。
同じように、リスニングは音として情報が脳に入り、それを脳が理解します。
これがインプット学習ですね。
ライティングの場合は、脳の中で考えたことを文字の組み合わせとして意味が通るように再構築しなければなりません。
スピーキングは言葉の組み合わせで意味が通るようにします。
これがアウトプット学習です。
英会話学習というと、とにかく英語を聞く・英語を話すという学習ばかりが注目されがちですが、読む・書くも立派な勉強方法なのです。
英語の読み書きと言えば、日本人は得意とされている技能ですよね。
何と言っても私たちが学校で習ってきた英語は読み書き中心でした。
ところが、学校教育でやってきたような読み書きの勉強方法では、なかなか英語が話せるようになりません。
ではどうすれば効率的に勉強することが出来るのでしょうか?
リーディングは頭から理解するが鉄則!
英会話を意識したリーディングの勉強方法は、とにかく英語を頭から理解すること。
学校教育では和訳が中心だったため、返り読みのクセが付いてしまっている人も多いと思います。
でも実際の会話では、人の発言を頭から戻って考える、なんてことはできません。
例えば次のような文章があったとしましょう。
この文章を見ると、日本で学校教育を受けた多くの人はこのように分解して考えます。
そして日本語として意味が通るように並び替えて訳します。副詞節はだいたい始めに訳すので、このような訳になるでしょうか。
「私たちがあなたの口座情報について話したり、個人情報を第三者と共有する場合は常に明確なガイドラインに従っています。」
ところが、今やったように副詞節から訳して、そのあと文の頭に戻って訳すと脳内の情報処理速度が極端に落ちますし、そもそも会話でそんなことをやっている暇なんてありません。
大学入試のための勉強ならこれでいいかもしれませんが、英会話では通用しません。
そこで、リーディングの学習をするときは常に頭から理解していきます。
そのための練習がチャンクリーディングと呼ばれるトレーニングです。
文章を意味の塊(チャンク)に分けて、日本語としての意味が通じなくてもとにかくそのまま理解していく。
これがチャンクリーディングです。
上の例文だとこうなります。
これを並び替えずに理解していきます。日本語としては意味がヘンテコですが、何を言わんとしているのかは何となく理解できると思います。
この英語を頭から理解するためのチャンクリーディングは、英会話独学に非常に有効な学習方法です。
リスニングはシャドーイングでアウトプットも同時に鍛える!
英語リスニングは日本人が苦手とするスキルです。
というのも、英語には日本語にない音が沢山あるので、どんなにゆっくりな音源でも聞き取れない場合が多々あるのです。
また脳には、聞いたことがない音や聞きなれない音を勝手に雑音として処理してしまう面倒な機能が備わっています。
英語の音は日本人にとって聞きなれない・聞き取れない音なので、訓練しないと脳が勝手に雑音として処理してしまうのです。
そこで脳内に英語回路を作るのに有効だといわれているのがシャドーイングです。
シャドーイングは聞こえてくる音源に対して、後から同じように自分でも真似して発音するトレーニング方法です。
聞えてくる音の意味は考えずにとにかく音を真似をするプロソディ・シャドーイングと、聞こえてきた英文の意味を考えながらシャドーイングするコンテンツシャドーイングがあることが知られています。
それぞれの違いについてはこちらの記事にまとめました。
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シャドーイングでは自分の英語を自分で聞くことによって、頭の中に英語の音が定着していきます。
これを繰り返していくと英語回路が頭の中に出来上がっていき、英語の音を聞いてそこから情報を得ることができるようになるのです。
また、シャドーイングのトレーニングはスピーキングトレーニングとしても有効です。
英語を話すときは日本語ではあまり使わない口の筋肉を使うので、シャドーイングで英語用の口の筋肉を鍛えることが出来ます。
ライティングの基本は暗記
続いてアウトプット系の学習方法についてです。
ライティングは頭の中の考えを文字に起こし、それを並び替える作業なので英会話で自分が言いたいことを言えるようになる訓練になります。
でも、まず日本語で言いたいことを考えて、頭の中であーでもない、こーでもないと考えて英語に訳してく勉強法ではなかなか上達しませんし、ましてや実際の会話でそんなことをやっている暇はありません。
そこでライティング力を効率よく伸ばすためのトレーニングが「瞬間英作文」です。
これは読んで字のごとく、思い描いた状況を説明するための英文を瞬時に書き出す練習です。
そんなことが可能なのか?と不思議に思うかもしれませんが、要は暗記です。
出来るだけ多くの例文パターンを暗記し、この場面ならこう言う!という英文ストックを脳内で増やしていくのです。
そして、考える間もなく瞬間的にパッと英文を書きだす。
この瞬間英作文は英会話の学習方法として結構有名で、練習用のテキストも多数販売されています。
一番有名な瞬間英作文の教材がコチラ。
タイトルに「話すための」とある通り、瞬間英作文トレーニングは英会話の勉強にとても有効です。
スピーキングは練習試合感覚で!
スポーツの場合、試合に臨む前にまず基本練習をしますよね。
たとえば野球の場合、基本練習として守備練習やバッティング練習をします。
そしてある程度基礎が身に付いたら練習試合。
そして試合本番に臨むわけです。
英会話の独学も野球と同じです。
試合が誰かとの実際の会話だとしたら、リーディング・リスニング・ライティングは基礎練習。
そして、スピーキングが練習試合です。
練習試合をするためには相手が必要です。
身近に英会話の練習に付き合ってくれる外国人(もしくは日本人でも)いればいいのですが、そんな人いないという場合はオンライン英会話がおすすめ。
ほとんどのオンライン英会話は月に数千円で24時間英会話レッスンを受けることが出来ます。
各社独自のカリキュラムを設けていますが、私のおすすめはフリーカンバセーションで、独学の成果を試す使い方。
瞬間英作文で覚えた表現や、リスニングで身に付けた表現を実際の会話で使ってみると、英会話の実力が効率的にアップします。
オンライン英会話はいろいろありますが、ネイティブキャンプは月額6000円程度の料金で毎日24時間いつでもレッスン受け放題なので、練習試合として英語を話しまくるには一番おすすめです!
まとめ
TOEICなど英語試験と比べると英会話って独学が難しいといわれますが、インプットとアウトプットの練習を続けていけば独学でも十分身に付けることが出来ます。
ぜひ、英会話の独学にチャレンジしてみてください!