
大人になってから英語をやり直した経験からこれだけは自信をもってはっきりと言えます。
英会話でもTOEICでもなんでも、「何から始めればいいんだろう?」と迷っている人は文法から勉強しておけば間違いありません。
そして、それと並行して語彙も増やしていくと、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの英語4技能すべての実力を効率よくアップさせることが出来ます。
これはビジネス英語を学ぶときも同じです。
文法を学んだり、リスニングで耳を鍛えたりしながら、同時に語彙も増やしていくのです。
ひと通り基礎英文法をやり終え、リスニングもだいぶ聞き取れるようになってきたら、いよいよ本格的に語彙を徹底的に増やします。
こうすると、特にスピーキング力がぐんと伸びます。
語彙を増やすための単語帳・教材はいろんなものが市販されていますが、今回はビジネス英語の英単語に特化したおすすめ単語集をご紹介します!
目次
速読速聴・英単語 Business 1200 (松本茂・他/Z会)
速読速聴・英単語−Business 1200−/ロバート・L・ゲイナー/ゲイル・K・オーウラ
ロングセラー「速読速聴・英単語」シリーズのビジネス特化型の本です。
英語としてだけではなく、ビジネス知識についても理解が深められるように工夫されています。
このシリーズの特徴である、長文からの単語抜粋により、どういう場面で使われる単語なのかが分かりやすくなっています。
特にこの本では実際のビジネスの場で使われる単語をピックアップして取り上げているので、仕事で英語を使う人にピッタリの、実用的な教材と言えます。
この本のタイトルである速読と速聴は、英語を聞く・話すという場面で特に重要になるスキルです。
英語を読んだり聞いたりしたとき、「あれ?この単語の意味は何だっけ...?」と考えていると、脳が余計なリソースを使ってしまい、会話の内容・分の内容が頭に入ってきません。
単語を覚える際は、文字を見た瞬間・発音を聞いた瞬間にパッと意味が浮かぶようにならないと、実践で使えるようにならないというわけです。
これが速読・速聴です。

この本と同様に、同じシリーズの「速読速聴・英単語 TOEIC TEST GLOBAL 900」もかなりビジネス寄りの内容です。
余裕があれば、2冊とも完璧にこなしたい単語帳です。
カリスマ同時通訳者が教える ビジネスパーソンの英単語帳 (関谷英里子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
こちらはかなりおすすめ。
著者の関谷英里子さんといえばカリスマ通訳者として有名です。
関谷さんはこれまで重要人物相手の同時通訳を数多くこなし、ご自身の経験をもとに英語に関するわかりやすい著書を数多く執筆しています。
この本は、そのなかでも「ビジネスパーソン向けの重要単語に焦点を絞った教材」です。
間違いではないけれど、ビジネスの場にはそぐわない単語をどう置き換えるか?に焦点を充てていて非常に興味深い一冊になっています。
例えば「利益を上げる」という表現。
関谷さんは
例文
利益を上げる=make profit
と訳したところ、ネイティブにおかしな顔をされてしまったそうです。

ではどう言うのが正解だったのでしょうか?
実はmakeではなく、generateを使うほうが自然だそうです。
辞書に載っている意味では、「make」も「generate」同じ「作る」という意味です。
ところがネイティブにとってはニュアンスが微妙に違うのです。
ニュアンスの違い
make:既に存在するものを組み合わせて新しいものを作る
generate:何かの行動に対し、その結果として発生する
こんな感じで、ビジネスでのこなれた表現やニュアンスの違いを、1ページにつき一単語ずつ説明しています。
なので、新しく語彙を増やす暗記用というより、ビジネス英語の重要単語のニュアンス・使い方を詳しく知るという使い方が適しています。
1つ1つの単語に詳しい解説が載っているので、収録されている単語数も少ないです。
イラストも入っていて、レイアウト的にとても見やすい作りになっています。
この本から厳選単語を抜粋した「同時通訳者が教える ビジネスパーソンの英単語帳エッセンシャル」や、語数を増やした「ビジネスパーソンの英単語帳+70 次の70語でもっとうまくいく」なども刊行されています。
いずれも音声素材がついていないのが残念ですが、ビジネス英語でよく使われる単語を掘り下げて理解するのに適した本です。
新品本/同時通訳者が教えるビジネスパーソンの英単語帳〈エッセンシャル〉 関谷英里子/〔著〕
MBA ENGLISH ボキャブラリー (石井竜馬/ベレ出版)
ご存知の方も多いと思いますが、MBAとはMaster of Business Administrationの略で、日本語にすると「経営学修士」です。
大学卒業後、実務経験を積んだ社会人が大学院で2年ほど勉強すると取れる学位ですが、ビジネスの現場ではMBAを持っていると一目置かれる肩書きです。
慶應大学など、日本の大学でも取得できますが、アメリカやイギリスの英語圏にあるMBAスクールに留学して手に入れると、英語力の面でも優れているという証明になります。
楽天の三木谷社長はハーバード大学のビジネススクールでMBAを取得していることは有名ですね。
この本の著者は米国ミシガン大学でMBAを取得しており、そのときの経験から得た「実際に使える単語」を収録しています。
網羅している単語はビジネスのみならず、MBA留学をした際に日常でもよく使う単語も含まれています。
かなり難易度の高い単語集になりますので上級者向けといます。
しかしMBAの取得を視野に入れている方ならば、おそらく中級レベル以上の英語力があると思われますので、このくらい手ごたえのある単語集のほうがちょうどいいのではないでしょうか。
このMBA ENGLISHもまたシリーズものになっていて、ボキャブラリーは本書なのですが、他に「経済・会計・財務」「ファイナンス」「経営・マーケティング」についての本も出ています。
いずれも日本語の長文の中に英単語を混じり込ませた説明になっていて、(ルー大柴さん風味…)と思ってしまいました。
でも分かりやすいです。
MBA ENGLISH 経済・会計・財務の知識と英語を身につける/内之倉礼子(著者)
MBA ENGLISH 経営・マーケティングの知識と英語を身につける/内之倉礼子【著】
まとめ
単語のストックが脳内にたくさんあると、たとえ複雑なことが言えなくても、一言だけ伝えれば相手に理解してもらうことができます。
TOEICリスニングやリーディングも、もうこれ以上は点数が伸びない!と思っているところで語彙の勉強として単語を覚えまくると、その壁を突破できたりします。
試験本番まであと3日しかない!という時は単語を覚えまくるのが一番効率がいいのではないでしょうか?
どんなに文法を知っていても、言葉を知らなければ構造に当てはめることができません。
リスニングだって聞き取れないし、リーディングだって辞書を引きながら読んでいたら時間がかかって仕方がありません。
当然スピーキングやライティングも同様です。
ビジネス英語も同じです。
単語力と文法力は英語の4技能を使いこなす上でとても重要な能力です。
しかもこの二つは独学できます。
グローバルに活躍できるビジネスパーソンの第一歩として、ビジネス英語に必須の単語をたくさん覚えていきましょう!